2026/9/11

集計するだけでは、経営企画の仕事にはならない。経営者の意思決定を支える「その先」の仕事とは?

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会社が成長し、事業や商品、取引先などが増えてくると、それまで経営者の頭の中で把握できていたことが、少しずつ見えにくくなってきます。

売上は伸びている。しかし、どの商品が本当に利益を生んでいるのか。どの事業の収益性が落ちているのか。なぜ売上ほど利益が増えていないのか。

こうしたことを把握するためには、これまで以上に会社の数字を細かく見ていく必要があります。

一方で、経営者自身は日々忙しくしています。

取引先との商談もあれば、社員からの相談もあります。採用や資金繰り、新しい事業についても考えなければなりません。

そこで、たとえば日頃から数字を扱っている経理担当者に、こんなお願いをします。

「事業ごとの売上や利益も分かるようにしてほしい」
「商品別にも数字を見られるようにしてもらえないだろうか」

経理の重要な役割の一つは、日々の取引を正しく記録し、決算などに必要な会計情報を整えることです。こうした制度会計に関わる仕事に加えて、事業別や商品別など、社内の経営判断に必要な数字を分けて見るようになると、管理会計の領域に近づいていきます。

経理担当者が数字を整理してくれたことで、それまで見えていなかったことが少しずつ見えるようになってきました。

ここまでは順調です。

ところが、その資料を受け取った経営者には、次の仕事が待っています。

「なぜ、この事業だけ利益率が低いのだろう」
「この商品の売上が伸びているのに、なぜ利益が残らないのだろう」
「どこから改善すればいいのだろう」

本当は、じっくり数字を見て考えたい。

しかし、日々の業務に追われて、なかなか分析する時間を取れません。

ようやく時間をつくって資料を開いても、数字を見るだけでは原因までは分かりません。追加の情報を調べたり、担当者に話を聞いたりしながら、何が起きているのかを整理する必要があります。

数字を集計してもらったことで、会社の状況は見えやすくなりました。
しかし、経営者が意思決定するための仕事が終わったわけではありません。

むしろ、本当に考えなければならないことは、その先にあります。

集計は、経営を考えるための「入口」にすぎない

もちろん、情報を集計することは重要です。

売上や利益、顧客、商品、人員、生産状況などを把握できなければ、その先を考えることもできません。

ただ、経営者が本当に知りたいのは、集計された数字や情報そのものだけではないはずです。

「なぜ、こうなっているのか」
「何が問題なのか」
「このままでよいのか」
「何を変えるべきなのか」
「何を優先するべきなのか」

こうしたことを考えたうえで、会社としてどうするのかを決めなければなりません。

たとえば、管理会計によって事業別の利益が見えるようになったとしても、それだけで答えが出るわけではありません。

必要に応じて財務分析を行い、利益率や売上構成、費用構造などを比較しながら、「どこに問題がありそうなのか」をさらに深掘りしていきます。

そして、その分析結果をもとに課題を見つけ、原因を整理し、対応策を考える。

ここまで来ると、単に数字を集計する仕事とは、求められる役割が大きく変わってきます。

つまり、集計は経営判断の答えではなく、経営を考え始めるための入口にすぎません。

経営者が意思決定するまでには、多くの仕事がある

一つの例として、日々の業務から経営者の意思決定に至るまでの流れを、10段階に分けて考えてみます。

段階

仕事

1

担当部署が本来の業務を行う

2

実績や情報を記録・管理する

3

必要な情報を集計し、管理会計などで見える状態にする

4

財務分析などを通じて数字や情報を分析する

5

経営上の課題を抽出する

6

課題が生じている原因を整理・検証する

7

対応策や施策の候補を考える

8

選択肢を比較し、判断材料を整理する

9

何を優先するかを判断する

10

会社として進む方向を意思決定する

こうして並べてみると、集計は10段階のうち3番目にすぎないことが分かります。

経営者が欲しいのは、「数字をまとめた資料」そのものではありません。

その数字が何を意味しているのか。何が課題なのか。なぜそれが起きているのか。そして、どのような選択肢があるのか。

そうした材料がそろって初めて、経営者は意思決定できます。

経営企画がない会社では、「集計の先」を誰が担うのか

先ほどの会社に戻って考えてみましょう。

経理担当者が事業別の数字を集計してくれました。

しかし、

「なぜ、この事業だけ利益率が低いのか」

を考えることは、集計とは別の仕事です。

原因を探すためには、売上構成や原価をさらに細かく確認したり、人員配置や取引条件などを調べたりする必要があるかもしれません。

数字だけでは分からなければ、営業担当者や現場の責任者にも話を聞く必要があります。

原因が見えてきたら、次は、

「では、何を変えるのか」

を考えます。

価格を見直すのか。コストを下げるのか。販売方法を変えるのか。人員の配置を見直すのか。

複数の選択肢があれば、それぞれのメリットやリスクも比較しなければなりません。

経営企画という機能がなければ、こうした集計より先の仕事を担う役割が、社内に明確に置かれていないことがあります。

その場合、担当部署から集計された情報を受け取った後、分析し、課題を見つけ、原因を調べ、選択肢を考えるところから経営者自身が担わざるを得ません。

経営企画がない会社では、担当部署が本来業務、情報管理、集計までを行い、その後の分析、課題抽出、原因整理、施策検討、判断材料の整理、優先順位の判断、意思決定を経営者が担う流れ

ここで重要なのは、経営者に4〜8の仕事ができるかどうかではありません。

自分の会社について最もよく知っているのは経営者です。数字を分析し、現場に話を聞き、対策を考えることもできるでしょう。

しかし、もともと考えることも、決めることも多い経営者が、意思決定するための準備まで、すべて自分で行う必要があるのでしょうか。

経営者自身が分析する時間を十分に取れず、せっかく集計した資料が十分に活用されないこともあります。

だとすれば、問題は「もっと細かく集計すればよい」ということだけではありません。

集計した後の分析や課題抽出、施策の検討を担う機能そのものが必要なのではないか。

ここに、経営企画を置く意味があります。

経営企画があると、「経営者に届く状態」が変わる

では、先ほどと同じ仕事の流れに、経営企画という機能が加わるとどうなるでしょうか。

担当部署が本来の業務を行い、その中で必要な実績や情報を記録・管理するところまでは変わりません。

その後、経営企画が必要な情報を集計し、分析します。

必要であれば管理会計の観点から数字を組み替えたり、財務分析を行ったり、各部署へのヒアリングを行ったりしながら、経営上の課題とその原因を整理していきます。

さらに、考えられる対応策を挙げ、それぞれのメリットやリスクを比較し、経営者が判断するための材料を整える。

すると、経営者が資料を受け取ったところから、一から分析を始める必要がなくなります。

たとえば経営者のところには、

「A事業の利益率が低下しています。分析したところ、主な原因としてAとBが考えられます。対応策としては①と②があり、それぞれこのようなメリットとリスクがあります」

という状態まで整理された情報が届きます。

経営者は、それを踏まえて、

「では、①の方向で進めよう」

と判断することができます。

経営企画がある会社では、担当部署が本来業務と情報管理を行い、経営企画が集計、分析、課題抽出、原因整理、施策検討、判断材料の整理を担うことで、経営者が優先順位の判断と意思決定に集中できる流れ

もちろん、実際の経営判断はこの図ほどきれいに役割を分けられるものではありません。

途中で経営者の考えを確認することもあれば、経営者と経営企画担当者が一緒に分析することもあるでしょう。

ここで伝えたいのは、厳密な業務分担ではありません。

経営者が意思決定するまでのすべての工程を、自分一人で担わなくてもよい状態をつくれるということです。

これは、経理だけの話ではない

ここまでは、経理と数字の集計を例にしてきましたが、同じことは営業、人事、製造などでも起こります。

各部署には、それぞれ本来の役割があります。その中で実績や情報を把握することはできても、そこから会社全体として何が課題なのか、何を優先するのか、どのような選択肢があるのかまで考えることは、各部署の本来業務とは異なります。

これは、担当者の能力の問題ではありません。

経理担当者の中には、管理会計や財務分析まで担える人もいるでしょう。営業担当者が事業全体を見ながら施策を考えることもあります。

ただ、その先まで求めていくほど、仕事はそれぞれの専門領域から離れ、会社全体を見る経営企画の役割に近づいていきます。

既存部署の仕事を広げるだけで、この役割まですべて担ってもらうことは簡単ではありません。

経営者がやるべきなのは、すべての工程ではない

最終的に会社の方向を決め、その責任を負うのは経営者です。

しかし、その判断に至るまでの集計、分析、課題抽出、原因整理、選択肢の検討まで、すべて経営者自身が担う必要はありません。

経営者が4から10までできるかどうかではなく、4から10まで全部やる必要があるのか。

ここに、経営企画という機能を持つ意味があります。

「中小企業だから経営企画はまだ必要ない」のではなく、分析から意思決定までの準備を経営者自身が担っている会社には、すでに経営企画が担える仕事が生まれているとも考えられます。

経営者が、経営者にしかできない仕事に集中できるように

LIBERTARCでは、経営企画は大企業だけのものではないと考えています。

むしろ、社内に経営企画という機能がないことで、経営者自身が情報を集め、分析し、課題を整理し、選択肢を考えるところまで担っている中小企業にこそ、経営企画が役に立つ場面があります。

経営者には、経営者にしかできない仕事があります。

会社の方向を決めること。
何を優先するかを決めること。
最後に意思決定し、その責任を負うこと。

そのための時間を、できるだけ経営者に戻したい。

LIBERTARCはそんな考えのもと、社内に経営企画部門や経営企画担当者を置くことが難しい企業に対して、「社外経営企画」として経営企画機能を提供しています。

経営者が集計された資料を受け取ったところから一人で考え始めるのではなく、必要な情報が整理され、分析され、課題や選択肢が見える状態をつくる。

そして、経営者には、経営者にしかできない意思決定に、より多くの時間を使ってもらう。

それが、LIBERTARCが社外経営企画として目指していることです。

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