2026/7/31
経営企画とは?中小企業にも必要になる「経営を整理する機能」
経営企画
社外経営企画
ベンチャー・スタートアップ

「経営企画」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
大手企業に勤めた経験がある方であれば、「経営企画部」という部署名を耳にしたことがあるかもしれません。
一方で、中小企業に勤めている方や中小企業の経営者のなかには、経営企画という言葉自体、これまであまり聞いたことがないという方もいるのではないでしょうか。
また、言葉は聞いたことがあっても、
「何をしている部署なのか」
「経理や総務とは何が違うのか」
「自分の会社にも関係があるのか」
と聞かれると、はっきり説明するのは難しいかもしれません。
それも無理はありません。
経営企画は、営業や経理のように、どの会社でも共通する明確な業務範囲が決まっている仕事ではないからです。
この記事では、分かりにくい「経営企画」とは何なのか、どのようなときに会社に必要になるのかを解説します。
読み進めながら、自社にも経営企画の機能が必要かどうか、考えてみてください。
経営企画は、会社によって呼び名も仕事も違う
経営企画を担う部署の名称は、会社によってさまざまです。
「経営企画部」「経営戦略室」「戦略推進部」「事業戦略本部」「事業統括本部」など、会社の組織構成や、その部署に求める役割によって異なる名称が使われています。
名称だけでなく、担当する仕事の範囲も会社によって異なります。
中期経営計画の策定を中心に担う会社もあれば、予算と実績の管理、業績分析、新規事業の検討、経営会議の運営、各部門の施策や進捗の管理まで幅広く担う会社もあります。
このように、経営企画は「この業務を行う部署」と明確に統一されたものではありません。
会社によって呼び名も違う。
会社によって担当する仕事も違う。
そのことが、「経営企画とは何をする部署なのか」を分かりにくくしている理由の一つです。
一方で、ある程度規模の大きい会社では、名称や業務範囲は異なっていても、経営企画に相当する機能を持つ部署が置かれていることが多くあります。
経営企画が必要になるのは、どのようなときか
では逆に、どのくらいの会社から経営企画が必要になるのでしょうか。
まずは、まだ規模の小さい会社をイメージしてみてください。
従業員は数人。扱っている商品やサービスも多くなく、拠点も一か所です。
社長は、誰がどの仕事をしているのかを把握しています。どの商品が売れているのか、どの取引先との商談が進んでいるのか、現場でどのような問題が起きているのかも、日々の会話や自身の経験から分かります。
売上や利益についても、細かな資料を見なくても、おおよその状況は頭に入っています。
この段階では、社長自身が営業や現場の仕事をしながら、会社全体を見渡すことができます。経営企画という専門の部署がなくても、社長の頭の中で経営が整理されている状態です。
ところが、事業が順調に成長すると、少しずつ様子が変わっていきます。
従業員が増える。
商品やサービスが増える。
店舗や営業所などの拠点が増える。
営業部、製造部、管理部など、部署が分かれていく。
既存事業に加えて、新しい事業も始まる。
会社にとっては、喜ばしい成長です。
しかし、会社が成長するほど、社長が把握しなければならない情報は増え、現場との距離も少しずつ広がっていきます。
以前は社長が直接見聞きしていたことも、管理職や各部署から報告を受けなければ分からなくなります。頭の中だけで把握できていた売上や利益も、商品別、部門別、拠点別に分けて見なければ、会社全体の状況を正しくつかめません。
売上は伸びているものの、どの商品が利益を生んでいるのか分からない。
ある部署の数字が悪化しているものの、その原因が見えない。
各部署が施策に取り組んでいるものの、計画どおりに進んでいるのか確認できない。
会議では多くの報告が上がってくるものの、結局何を決めるべきなのか整理されていない。
以前は会社全体を見渡せていた社長が、次第に「会社の中で何が起きているのかを把握すること」自体に、多くの時間を使うようになります。
そして、あるとき、こんなことを感じ始めます。
各部署の情報を、誰かにまとめてもらいたい。
数字や進捗を整理し、会社全体の状況が分かるようにしてほしい。
計画どおりに進んでいるのか、継続的に管理してほしい。
数字を集めるだけでなく、そこから問題や課題を見つけてほしい。
何をすべきか一緒に考え、決めた施策を実行するところまで進めてほしい。
まさに、この瞬間が経営企画を必要とするときです。
経営企画が必要になるタイミングは、「従業員が何人になったとき」「売上高がいくらを超えたとき」と一律に決められるものではありません。
同じ従業員数でも、一つの商品を一つの拠点で扱う会社と、複数の事業や商品を複数の拠点で展開する会社とでは、経営の複雑さが異なります。
会社の成長とともに経営が複雑になり、社長一人では全体を把握し、管理し、次の行動につなげることが難しくなったとき。
そのとき、会社には経営企画の機能が必要になります。
経営企画は、経営に近い場所に置かれる
経営企画は、特定の部門だけではなく、会社全体を横断して状況を見る役割です。
各部門から情報を集め、経営者や経営陣が判断できる形に整理するため、一般的には経営陣の直下など、経営に近い場所に置かれます。
【メーカーの場合の組織パターン例】

経営企画が経営に近い場所に置かれるのは、会社全体を見渡し、経営者や経営陣の意思決定を支える役割を担うからです。
具体的な経営企画の業務例
経営企画を一言で表すなら、経営者や経営陣が意思決定をするために必要な情報を集め、分析し、整理する機能です。
経理が日々の取引を記録し、会社の数字を正確にまとめる役割だとすれば、経営企画は、その数字をはじめとするさまざまな情報を、経営判断に使える形に整理する役割を担います。
具体的には、次のような業務があります。
経営判断に向けた情報や構想の整理
売上・利益などの業績集計と財務分析
予算と実績の管理、KPIの設定と進捗確認
市場や競合企業の調査
中期経営計画や事業計画の作成
新規事業や新商品の企画・検討
経営会議の資料作成や会議運営
経営課題の整理と施策の推進
すべての会社で、これらの業務を一つの部署が担うわけではありません。
会社の事業内容や成長段階、経営課題によって、必要となる経営企画の役割は異なります。
経営企画の具体的な支援内容については、本サイトの「サービス」でも詳しくご紹介しています。
ベンチャー・スタートアップにも経営企画は必要
ここまで経営企画は、事業が複雑になった中小企業だけに必要と説明してきましたが、成長スピードが速く、事業の検証や意思決定を短いサイクルで繰り返すベンチャー・スタートアップにも必要とされるものです。
新しいプロダクトの検証、事業計画の見直し、資金調達、組織づくりなど、成長の過程では複数の経営テーマが同時に進んでいきます。
そのすべてを経営者だけで整理し、判断し、管理しようとすれば、経営者自身が事業成長のボトルネックになりかねません。
経営企画は、変化する状況や経営課題を整理し、必要な意思決定と実行を支えることで、会社の成長スピードを止めないための役割を担います。
ベンチャー・スタートアップにおける経営企画の役割については、別のコラムで詳しくご紹介します。
「社長の頭の中」だけで回らなくなったら
中小企業では、「経営企画部」という名称の部署がないことも珍しくありません。
しかし、部署がなくても、経営企画にあたる仕事は存在します。多くの中小企業では、社長や役員、管理部門の担当者が、その役割を兼務しています。
次のような状態が増えてきたら、自社にも経営企画機能が必要になっている可能性があります。
会社全体の状況を把握するまでに時間がかかる
商品別、事業別、部門別、拠点別の採算が見えにくい
社長が数字の集計や資料の確認に追われている
計画や施策を継続的に管理する人がいない
課題の整理や解決策の検討を、社長一人で抱えている
「最近、会社全体を把握することが難しくなってきた」
「社内を管理する仕事に使う時間が増えてきた」
「社長にしかできない仕事に、十分な時間を使えていない」
そう感じるようになったときは、自社にも経営企画の機能が必要になっているのかもしれません。
経営企画が必要だからといって、必ずしも専任の部署を新設したり、担当者を採用したりする必要はありません。既存の社員に役割を持たせるほか、自社に必要な機能を社外から補うという方法もあります。
LIBERTARCでは「社外経営企画」として、経営状況の整理や分析、課題の設定、施策の推進など、会社ごとに必要な経営企画の役割を設計しています。
まずは、自社の経営にどのような機能が必要なのかを考えることから始めてみてはいかがでしょうか。
